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経営者×プロフェッショナルの対談記事

Vol.4/5

デザイナーとしての人生

アートディレクター/デザイナー
佐藤豪人さん|HIDETO SATO DESIGN

佐藤さんは岡山県を中心に一般企業から公的機関など、幅広い場所でアートディレクター/デザイナーとして活躍されています。「ヒト・モノ・コトを、ポジティブに結ぶ。」という理念のもとに、しっかりとしたヒアリングをおこない、クライアントに寄り添った制作手法を得意とされています。

佐藤さんが思うブランディングとは

佐藤
会社が大きくなると、それに伴うように、
大きなものがつくれたり、大きな案件がきたりしませんか?
三谷
確かに。
さっきもいったように、縁を繋いだりコミュニケーションをちゃんと取っていくとか。
そういうのがビジネスの最低限のところには絶対に必要だと思うんです。
そこを大事にしているとクライアントさんと話すときも、感情の機微ですよね、
佐藤
わかります。
三谷
そこを読み取れるからいい提案ができるようになるんだと思います。
その中で僕らも佐藤さんにお願いしてるんですけど、
デザインマネジメントとかブランディングとかって
意外と定義化されてないと言うか、
なんとなくぼやっとしながら使われているところがある気がします。
佐藤
ものすごい数の情報が出ていますよね。
三谷
佐藤さんの場合は企業のブランディングとか
デザインマネジメント等の領域もかなり力を入れていて、
私たちも力貸していただいているんですけれど。
佐藤さんが言うブランディング、
デザインマネジメントみたいな具体的な言葉の定義からはじまり、
何を指していて、何を提供するものなにか教えてください。
佐藤
いまの世の中的にというか、
僕らの業界でブランディングって一種の流行りなんですよ。
もうどの雑誌や本でも書いていて、賛否両論もあるし、
色々な意見があります…ブランディングという言葉はそもそも、
僕はマネジメント用語だと思うんです。
デザイン用語ではない。
ということは、ただイメージを整えるとか
揃えるだけではないと思うんです。
三谷
よくお話にでますよね。
佐藤
はい。
元々ブランディングって何?っていうと、
ブランドという言葉の語源で納得できるんです。
ブランドという言葉は「焼き印」っていう意味なんです。
昔、ノルウェーで家畜を放牧していたとき、
今みたいにちゃんと区画整理されていなくて、
どれが自分の家畜かわからなくなっていたらしいんです。
三谷
それは、誰のやつかわかんなくなりますね。
佐藤
その時に焼き印を押したんです。
これが「ブランド」の語源なんです。
自分のものが分かるようにすること、その意味から派生したのが「差別化」です。
「brand」を辞書で引くと、
ちゃんと「焼き印」の意味もあります。

三谷
へえー、そうなんですね。
佐藤
もう少し踏み込んで話をすると、
どの本でも「ブランディングは差別化しましょう」と書かれてるんですね。
三谷
書いていますよね。
佐藤
僕は、差別化も意識をするんですけど
ブランディングデザインをする上で最も大切なことは、「本質化」といってます。
三谷
「本質化」ですか?
佐藤
なぜかというと、色々とヒアリングをさせてもらう上で、
クライアントには、かなり自己対話をしてもらいます。
ということは自分の本質、独自性を探ってもらうんです。
その「本質って何?」っていうところをご一緒に探っていって、
言語化したり絵を描くことで「これだよね」ってなる。
それが自然と差別化につながるんです。
三谷
なるほど。
佐藤
今の世の中で差別化するのが、すごく難しいんです。
例えば、この紅茶。
ものすごい数の種類があって、そこの中で差別化しましょうって、なかなか大変。
そうじゃなくて、そのヒト・モノ・コトの、もっとパーソナルな部分、
軸を深堀りしていくと自然と差別化されていくんじゃないかと考えて、
今、ブランディングデザインをしています。
三谷
本人たちも分かっていない
頭の中でぐちゃぐちゃになっていることをまとめてあげる。
という感じですね。
佐藤
僕はよく学生に「design」の意味を辞書で引いてっていうんですよ。
面白いことに、デザインって大体4つの言葉で分かれてるんです。
よくある「意匠設計」と「図案」「下絵」に、
「計画」や「企む」って意味があるんですね。
三谷
へー、デザインに。
佐藤
欧米のデザインでは、
こっちのほうが実は重宝されています。
計画するってことは情報整理ができるってことで、
ちゃんと読み解いていく力があるということなんです。
三谷
最初のデザイナーとかアートディレクターの違いの話に戻りますけど、
ただ美しい図案を書くとか、絵を描くだけじゃなくて経営幹部や経営者だったりとか、
人の心理を読み取りながら、頭を整理してあげる企業参謀的な立場でもあるんですね。
佐藤
そうですね。
よくうちは右脳だって話をしています。
左脳が論理的に考える仕事だとしたら、
感覚的に考える右脳として機能できるような関わり方、
ご縁の繋がり方をしたいなと思っています。
三谷
ただ右脳だけじゃ味が伝わらないから勉強しなさいよと、
国語・算数・理科・社会が大事ですよっていう。
特に国語、大事ですよ。
というところも繋がってきますよね。
佐藤
そうですね。

三谷
デザインについての考え方はどうですか?
佐藤
デザインの本質的なもので分かりやすいのが、
美術の教科書で動物が描かれた壁画とか出てきませんでしたか?
三谷
たしか歴史の教科書に載っていますよね。
佐藤
ラスコーの壁画といって世界最古の美術作品といわれているんです。
当時の人は短命で亡くなっていたらしいのですが、
その生きることのノウハウなどを伝えるために単純な絵にしたんです。
これってシンボルやサインのデザインなんですよ。
もうコミュニケーションデザインなんです。
三谷
そう考えたらデザインを仕事にしている人は、
生きてていろんなことが頭の中でごちゃごちゃしたり、
会社内とかもぐちゃぐちゃになっているのを整理して形にしてるっていうのは、
本当に人間の太古からの性質を引き継いできたものを職業にしてる感じですね。
佐藤
はい、とても意識をしています。
三谷
そういう歴史的側面だったり感覚的なところを言語化していくとか、
というのはすごく佐藤さんの強みだと思うんですけど、
これは他のアートディレクターも含めてみんなそうなのですか?
それともそれは佐藤さんの強みで、一般的にいるデザイナーさん達は
あんまりそこまで企業に寄り添うようなことはないのでしょうか?
佐藤
わたしのスタジオの強みはそこなんです。
視覚情報や感覚を言語化、翻訳できるのは
少数だと考えていて、ここはうちの最たる強みです。
それがいわゆるアートディレクターとかクリエイティブディレクターにできるかというと、
僕はあまりいないのではないかという印象を持っています。

次回の最終回は佐藤さんがデザインという職業に就いて抱く、葛藤や悩み、魅力や喜びについてや、佐藤さんのこれからの展望についてのお話しをご紹介します。
取材・文:藤井まどか|株式会社プラザセレクト

GUEST PROFILE

佐藤豪人|アートディレクター/デザイナー|HIDETO SATO DESIGN

1985年岡山県生まれ。デザインストラテジスト/アートディレクター/デザイナー。2007年「ヒト・モノ・コトを、ポジティブに結ぶ。」を理念にデザインスタジオを設立。デザインマネジメントの観点でブランディングを主軸としてコミュニケーションの創造を目指している。岡山県内外の法人・個人・事業・商品でブランディング実績多数。また、デザインはCI/VI・広告・パッケージ・サイン・Webなど領域を横断して展開。

HIDETO SATO DESIGN

〒700-0916 岡山県岡山市北区西之町14-17プリペアドビル #201

SHIGOTOにある

「SHIGOTOにある」とは、様々な業種の第一線で活躍するプロフェッショナルの人たちとの対談を通じ、その仕事にある新しい世界を知るコンテンツです。

Interviewer

株式会社プラザセレクト<br>株式会社プラザセレクトワークス 代表取締役 三谷 浩之
株式会社プラザセレクト
株式会社プラザセレクトワークス
代表取締役

三谷 浩之

1979年香川県高松市生まれ。日本大学理工学部卒業。大学卒業後に入社した総合建築業で建築不動産ノウハウを学ぶ。 その後、四国の地場有力建築会社を経て2015年に独立。地域を豊かにする「生活総合支援企業」を創ることを目的に株式会社プラザセレクトを創業。 現在は徳島・香川という地方エリアでシンプルなデザイン住宅の販売、投資用住宅の提案販売の事業を展開。 「Be Smile にこっを集めよう!」をスローガンに理念を重視した経営を行っている。代表著書に自身の新人時代からの仕事観を綴った「楽しく生きよう!よく遊びよく働け 想いを形にする仕事術」がある。

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