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経営者×プロフェッショナルの対談記事

Vol.5/5

『広告』─共につくり上げる喜び

広告代理業
藤本康弘さん|株式会社Mei Corporation 代表取締役

藤本さんは2018年5月に独立し、株式会社Mei Corporationを立ち上げられました。その親しみやすい人柄や一歩踏み込んだ提案力・企画力を強みとし、様々な企業の広告PRやイベント企画で実績をあげることを得意とされています。

思い出の仕事

三谷
いろんなお話聞いてきたのですけれども、藤本さんにとって仕事の価値観とか、変化の転換点になる思い出深い仕事というのは何かありましたか?
藤本
経験した事がない新しいことをするときに、結構恐怖心がありまして。あるイベントなんですが、要するに出来るかできないか微妙な判断が必要なイベントだったんですね。それを色々な人の協力も得ながら結局はやり遂げたわけですが、その時に『こういうことしたいのだけど、出来る人いませんか』とか探して回ったことがありました。全く0からのスタートだったものを、自分で何とか無事に終わらせた時は、最高に気持ちよかったです。
三谷
そういう時は、本当に「良かった」という気持ちになりますよね。
藤本
はい。お客様も楽しんでくれて、やっている間はもうしんどくて仕方がないし、やめたいなと思うことも勿論あります。『大丈夫かなお客さん来るかな』とか毎日考えながら、当日を迎えるわけなのですけども、それが終わって『良かった、お客さん来たね』となった時の開放感が快感で、多分何処かでアドレナリンが出ていて、なんとなく癖になるというか、しんどいけどまたやりたい。それをいいサイクルで続けていきたいなというのがありますね。
三谷
ストレスとかプレッシャーにかなり強い方だと思いますよ。
僕も仕事でイベント事やるときは『人来るのかな』と思いますけど、クライアントさんのお金を預かり、また頼まれて、企画して何かをやるって時に、人が来るかどうかってものすごくプレッシャーだと思うのですね、それをやっているのがすごいなと思います。
藤本
結局『これ大丈夫かな?』とか色んな穴を探す作業に近い部分もあるわけですよ。一緒に仕事していて『この人、細かいな』と思われている方もいらっしゃるとは思いますし、『分かっているよ、そんなこと』と言われた事もあります。けど、それをしないと自分も不安ですし、お客様にも説明できないので。
三谷
クライアント側からすれば、そういう人が現場にいてくれた方が安心ですけどね、そこまで気を使って考えてくれるのかって。
藤本
でもそれをあまり表に出したくなくて。
サラッと全部やっていたいタイプですね。

三谷
一つずつそういったイベントをやられている経験があって、
何かを立ち上げたり、作ったりする経験があるから、もしかしたら会社を起こした時も、それが大それた事じゃない、慣れた事のように思えたのかもしれないですね。
藤本
そうかもしれませんね。あとはその『これしか売れない、これをしないといけない』という制約がないので、大丈夫だろうと思って。仕事は作っていけるだろうなって考えていました。

これから広告業界を目指す方へ

三谷
最後の質問なのです。経営者という目線と、広告代理店業という二つの目線をミックスしてお答えいただけたらなと思うのですが、仕事のやり甲斐や苦しみなど、この業界に興味のある方々に向けて、アドバイスも含めてもう一度話をしていただきたいな。というのと、経営者としての藤本さんの中にある将来の展望も一緒にお聞かせいただけたらなと思います。
藤本
新米社長なのであまり多くは語れませんが・・。
やっていて思うのは、社会の変化がものすごく早いので、それについていけないと自分も食べていけないという事ですね。色々な人と会って色々な業界の話を聞くと、自分の無知を痛感することも多くて、日々それに自分がどのように適応していくか、学ぶ努力をしないといけない。そういう姿勢をずっと持ち続けないとおそらく生き残ってもいけないですし、僕自身それを生業にしていきたいなと思っています。社会に合うものを自分なりに考えて答えを出していく。それが初めての事だったりすると『やったぜ』と思えますよね。新しくこの仕事に就こうと思っている人に限らず、社会の流れは激しいので、常にアンテナを張りながら敏感に変化を察知し、仕事を選んで欲しいです。広告代理店業にはそれが出来る人に特に向いているのかなと思っています。
三谷
『逆にこれは大変だよ』という事もありますか?
表裏一体かもしれないですね。
藤本
独立して思うことは、自分が決めたことに責任を持たなければならないですし、怠けちゃいられんなという感じたことでしょうか。
三谷
多分マイナスというか大変な事ことも冒頭に話があった通り、悩んでいる時間が勿体無い、とか前向きに悩んだ方がいいとか、前向きに考えられる性格なのだと思います。『大変だな』と一般の方が思う事があっても、それをプラスに転換して、前に推し進められているのだと思うので、『大変って言われても色々あるけど、まあそんなに大変じゃないし』というのがあるのでしょうか?
藤本
当たり前位に思っているので、『大変ですね』って言われても『そうかな?』って感じです。傍から見てもそういう風に思われているのでしょうけど。
三谷
そういった環境適応能力を身につけていくといいよって事ですかね。それがそのまま藤本さんの強みなのかと思うのですけども。最終的に先ほどの質問ですが、経営者としての藤本さんの中にある将来の展望をお聞かせいただいて終わらせたいなと思います。
藤本
表立って自分の仕事や作品を評価してくださいというようなエゴはないので、お客様に喜んでいただけたらそれでいいのかなっていう風に思っています。当然、主役はお客様なので。展望というと、やっぱりそういう人達とたくさん長く付き合って、一緒に歳をとっていきたいなという感じですよね。
三谷
良い関係を作っていきたいという事ですね。
藤本
そうですね。
三谷
我々も長期友好的な関係を築きなさいと会社では言っているのですけれども、それに近いのですかね、そうなると会社が長く残れば残るほど、最初の頃にお付き合いのあったお客様との関係は深まりますし、接点も増えていけば、面も増えていきますから、と新しい仕事が舞い込んで絆が生まれたり。そういうのが一番大事なのかなと思いますね。
藤本
あとは広告代理店もこれをしておけばいいという決まり事もないので、社会も変わるから、きっと、数年先は今では想像もしないようなモノやサービスを取り扱っていると思います。そう考えると、原理原則である、相手のことを考えて悩むとか、それに対する答えを出すとか、っていう作業だけは変わらないと思います。ツール、仕方、付き合う相手や、取引会社というのは全く違ってくるのではないかなと思っていて、自分の基本スタンスは崩さずそれに柔軟に乗れるようにしておきたいですね。
三谷
すごい事だと思います、なかなかできない、根っこにある前向きな考え方と、芯があるけど柔軟に動ける、環境にうまく順応できるというか、適応していくというか、その源が人との共感力だという事だと思うので、そういうことをずっと貫いていらっしゃれば多分いっぱい仕事が舞い込んでくるのではないかなと思います。
今日はあまり今まで聞けなかったお話も聞けたと思うので、藤本さんことをよく知れて良かったです。以上になりますありがとうございました。
藤本
ありがとうございました。




取材・文:藤井まどか|株式会社プラザセレクト

GUEST PROFILE

藤本康弘|広告代理業|株式会社Mei Corporation

1978年、香川県坂出市生まれ。 神戸大学経済学部を卒業後、製薬会社に入社。主に四国のドラッグストア、スーパーマーケットへの企画提案営業を担当。小売店の現場と一緒になって売り場づくりを考え、売れる販促キャンペーンを展開。この時に行ったTVCMと連動したタイアップキャンペーンで、ヒトが動き、モノが売れるということに興味を持ち始める。その後、放送局の完全出資の広告代理店でCM・番組制作、各種イベントの企画実施、小売店での販促キャンペーンなど、幅広く経験。2018年5月に独立し、「株式会社Mei Corporation」を創業。

編集後記

物腰の柔らかい雰囲気で、ゆっくりと熱く会社や仕事に対する想いを話してくださった藤本さん。クリエイティブな仕事を生み出す事務所の中には、社名の由来にもなったお子さんの写真や、趣味だと仰っていたサッカーボールなども飾られていました。「相手のお話を聞いて共感することが大切」というお話では、広告代理業以外の職業や人間関係の形成においてもとても大切なことだなと学ぶことができました。
株式会社プラザセレクト
株式会社プラザセレクトワークス
代表取締役 三谷 浩之

SHIGOTOにある

「SHIGOTOにある」とは、様々な業種の第一線で活躍するプロフェッショナルの人たちとの対談を通じ、その仕事にある新しい世界を知るコンテンツです。

Interviewer

株式会社プラザセレクト<br>株式会社プラザセレクトワークス 代表取締役 三谷 浩之
株式会社プラザセレクト
株式会社プラザセレクトワークス
代表取締役

三谷 浩之

1979年香川県高松市生まれ。日本大学理工学部卒業。大学卒業後に入社した総合建築業で建築不動産ノウハウを学ぶ。 その後、四国の地場有力建築会社を経て2015年に独立。地域を豊かにする「生活総合支援企業」を創ることを目的に株式会社プラザセレクトを創業。 現在は徳島・香川という地方エリアでシンプルなデザイン住宅の販売、投資用住宅の提案販売の事業を展開。 「Be Smile にこっを集めよう!」をスローガンに理念を重視した経営を行っている。代表著書に自身の新人時代からの仕事観を綴った「楽しく生きよう!よく遊びよく働け 想いを形にする仕事術」がある。

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