Vol.2/5
デザイナーとしての人生
アートディレクター/デザイナー
佐藤豪人さん|HIDETO SATO DESIGN
佐藤さんは岡山県を中心に一般企業から公的機関など、幅広い場所でアートディレクター/デザイナーとして活躍されています。「ヒト・モノ・コトを、ポジティブに結ぶ。」という理念のもとに、しっかりとしたヒアリングをおこない、クライアントに寄り添った制作手法を得意とされています。

デザインを仕事にしようとしたきっかけ
三谷
佐藤さんの場合は、どうしてデザインの仕事を
しようと思ったんですか?
事務所を立ち上げたのもそうですし、
デザインを仕事にしていく決意をしたきっかけを教えてください。
しようと思ったんですか?
事務所を立ち上げたのもそうですし、
デザインを仕事にしていく決意をしたきっかけを教えてください。
佐藤
もともと勉強や運動よりも絵を描くのが好きなタイプで、
小さなころは図画工作や漫画ばかりを描いていました。
小さなころは図画工作や漫画ばかりを描いていました。
三谷
やはり、そうなんですね。
佐藤
中学の時に、兄がいきなりデザイナーになると言いはじめて…。
僕も「美術を仕事にできる職業があるんだ」ということを知り、
中学校の卒業文集の夢を書くコーナーで「トータルデザイナー」と書きました。
僕も「美術を仕事にできる職業があるんだ」ということを知り、
中学校の卒業文集の夢を書くコーナーで「トータルデザイナー」と書きました。
三谷
そんなに前から…。
佐藤
はい、それがはじまりですね。
今も、『トータルデザイナーになるにはどうすればいいのか?』ということを
考えながら動いています。
今風に言うと、それがアートディレクターかもしれないし、
クリエイティブディレクターかもしれないですけど。
いわゆる総合的なデザインというものに関われる職域で
やりたいという想いはずっとありました。
今も、『トータルデザイナーになるにはどうすればいいのか?』ということを
考えながら動いています。
今風に言うと、それがアートディレクターかもしれないし、
クリエイティブディレクターかもしれないですけど。
いわゆる総合的なデザインというものに関われる職域で
やりたいという想いはずっとありました。
三谷
その頃からずっと変わらず同じ想いがあるんですか?
佐藤
変わらずあります。
本当に、トータルデザイナーになりたいと想っています。
だから今も、ボーダーレスに色んな仕事をさせていただいています。
何かに決める、という事はしていないですね。
本当に、トータルデザイナーになりたいと想っています。
だから今も、ボーダーレスに色んな仕事をさせていただいています。
何かに決める、という事はしていないですね。
三谷
学生時代を経ていく中で、
その想いをずっと抱き続けるなんて、
本当に凄いことだと思うんですけど、
実際に今の仕事に就くまでに辛いこととかはやっぱりあったんですか?
その想いをずっと抱き続けるなんて、
本当に凄いことだと思うんですけど、
実際に今の仕事に就くまでに辛いこととかはやっぱりあったんですか?
佐藤
ありましたね(笑)
作家性が強い人の中には、人と関わりながら
つくることが苦手な人がいるんです。
僕はそういうタイプじゃないんですが、
デザインをする上で他者と関わりながらつくっていくので、
そういうタイプの人は多分しんどいと思いますよ。
作家性が強い人の中には、人と関わりながら
つくることが苦手な人がいるんです。
僕はそういうタイプじゃないんですが、
デザインをする上で他者と関わりながらつくっていくので、
そういうタイプの人は多分しんどいと思いますよ。
三谷
ビジネスですものね。
佐藤
僕も最初の段階は、
どのくらいの距離間で接すればいいのか分からず苦労しました。
近くに寄ればいいのか離れた方がいいのか。
言われたものだけをつくればいいのか、
それとも提案した方がいいのかなど、
いわゆるサービスやおもてなしという経験が必要になるのかなと思いました。
どのくらいの距離間で接すればいいのか分からず苦労しました。
近くに寄ればいいのか離れた方がいいのか。
言われたものだけをつくればいいのか、
それとも提案した方がいいのかなど、
いわゆるサービスやおもてなしという経験が必要になるのかなと思いました。
三谷
そういう接客業のような経験は、
どの職業においても大切になってきますよね。
実務の話をすると、最初はどこかの事務所に所属して、
「絵を描いてね」みたいな依頼がくるところから始まるんですか?
どの職業においても大切になってきますよね。
実務の話をすると、最初はどこかの事務所に所属して、
「絵を描いてね」みたいな依頼がくるところから始まるんですか?
佐藤
僕の場合は、友人から
展覧会のフライヤーをつくってほしいという話がありました。
何かをつくってほしいというニーズがあって、
たまたまデザインができるっていうところからはじまりました。
絵だけを描いていてデザインが
はじまるというケースは、少ないかも知れません。
展覧会のフライヤーをつくってほしいという話がありました。
何かをつくってほしいというニーズがあって、
たまたまデザインができるっていうところからはじまりました。
絵だけを描いていてデザインが
はじまるというケースは、少ないかも知れません。
三谷
そうだったんですね。
例えば広告代理店に就職するという道もあるわけじゃないですか。
でもそうではなくて、最初から自分一人でやり始めて、
事務所を作ろうと思ってスタートしているんですか?
例えば広告代理店に就職するという道もあるわけじゃないですか。
でもそうではなくて、最初から自分一人でやり始めて、
事務所を作ろうと思ってスタートしているんですか?
佐藤
僕はそうではないのですが、
学生にはよく真っ当な道の方がいいと言っています。
学生にはよく真っ当な道の方がいいと言っています。
三谷
真っ当な道ですか?
佐藤
語弊がありますね(笑)
真っ当というか、普通の道というか。
つまり、三谷さんがおっしゃるように事務所なり会社なりに入って
何年か経験を積んで、その段階で自分のスキルが、
所属した方が適しているのか、独立した方がいいのかを
見極めた方がいいと思います。
真っ当というか、普通の道というか。
つまり、三谷さんがおっしゃるように事務所なり会社なりに入って
何年か経験を積んで、その段階で自分のスキルが、
所属した方が適しているのか、独立した方がいいのかを
見極めた方がいいと思います。
三谷
なるほど、確かに。
佐藤
僕は、父親が学生の時に亡くなったことから短大を辞めて、
たまたま事務所に所属することができなかったんです。
その後は、自分の目指すビジョンだったり、
つくりたい分野のデザインの事務所を
当時、岡山では見つけきれなくて最初はダブルワークからはじめました。
たまたま事務所に所属することができなかったんです。
その後は、自分の目指すビジョンだったり、
つくりたい分野のデザインの事務所を
当時、岡山では見つけきれなくて最初はダブルワークからはじめました。
三谷
そんな時代が…。
佐藤
はじめてすぐは仕事なんかまったくないので、
昼はカフェの店員をしながら夜にちょこちょこと仕事をしていました。
昼はカフェの店員をしながら夜にちょこちょこと仕事をしていました。
三谷
すごく大変な苦労の下積み時代だったんですね。
佐藤
当時のことは嫌すぎて記憶にないですね(苦笑)
三谷
そのあとは、何がきっかけでデザインが主軸の仕事に変わりはじめたんですか?
誰かとの出会いなどあったのでしょうか?
誰かとの出会いなどあったのでしょうか?
佐藤
出会いが、とても大きいですね。
当時、岡山広告温泉というアワードで、部門賞を獲ったんです。
最年少だったこともあり、岡山の業界で名前を知ってもらえるようになりました。
その時の人とのご縁から、仕事もいただけました。
不思議なもので、自分のステージに見合った案件が降ってくるんです。
それがデザイナーとしてやっと独り立ちしたきっかけですね。
当時、岡山広告温泉というアワードで、部門賞を獲ったんです。
最年少だったこともあり、岡山の業界で名前を知ってもらえるようになりました。
その時の人とのご縁から、仕事もいただけました。
不思議なもので、自分のステージに見合った案件が降ってくるんです。
それがデザイナーとしてやっと独り立ちしたきっかけですね。
三谷
行動が実を結んだんですね。
佐藤
そして、今でも感謝してるんですけど、
仕事がない時代に「本が好きだから本を作りたい」という想いから
岡山の出版社の方にいきなり電話をしたことがあったんです。
なんの縁もない中で、
「デザインをしてるのでちょっと作品を見てもらえませんか?」
という持ち込みをしました。
仕事がない時代に「本が好きだから本を作りたい」という想いから
岡山の出版社の方にいきなり電話をしたことがあったんです。
なんの縁もない中で、
「デザインをしてるのでちょっと作品を見てもらえませんか?」
という持ち込みをしました。
三谷
えー!
それは大胆ですね!
それは大胆ですね!
佐藤
そうですよね。
今振り返ると、勇気あったなあと思います。
でも、その担当者さんが持ち込み後、
その段階ですぐに仕事をくれたんですよ。
本について、データのつくり方とかもまったく知識がなかったので、
教えてもらいながらつくらせていただきました。
今振り返ると、勇気あったなあと思います。
でも、その担当者さんが持ち込み後、
その段階ですぐに仕事をくれたんですよ。
本について、データのつくり方とかもまったく知識がなかったので、
教えてもらいながらつくらせていただきました。
僕は本当に運がいいんですよ。
次回は佐藤さんが自身の経験から、デザイン業界で仕事をしたいと思っている人たちへ向けたアドバイスや、『デザインの解像度』についてのお話しをご紹介します。
取材・文:藤井まどか|株式会社プラザセレクト
GUEST PROFILE

佐藤豪人|アートディレクター/デザイナー|HIDETO SATO DESIGN
1985年岡山県生まれ。デザインストラテジスト/アートディレクター/デザイナー。2007年「ヒト・モノ・コトを、ポジティブに結ぶ。」を理念にデザインスタジオを設立。デザインマネジメントの観点でブランディングを主軸としてコミュニケーションの創造を目指している。岡山県内外の法人・個人・事業・商品でブランディング実績多数。また、デザインはCI/VI・広告・パッケージ・サイン・Webなど領域を横断して展開。